【ハーネス部品製造業-前編】生産計画の自動作成、生産計画作成の時間短縮に成功
株式会社ブライトン様のIoT導入事例(前編)
生産計画を自動作成、毎日の生産計画作業が1時間程度に短縮
大阪本社で営業活動、鳥取工場で生産を行う「ハーネス部品」の製造会社、(株)ブライトン 様の事例をご紹介します。(株)ブライトン様は、納期回答がすぐにできないというお困りごとを抱えておられました。そのお困りごとに対して実施した内容を、前編と後編に分けてまとめています。
前編では、そのお困りごとに対して「生産計画の自動作成」に取り組んだ内容と、その取り組みに対してのお客様の声も交えてご紹介いたします。
問題点は、翌日の生産計画しか立てられていないこと
(株)ブライトン様では、翌日の生産計画しか立てられておらず、さらにその翌日の生産計画作成にも時間がかかっていました。先々の生産計画が分からないため、顧客への納期回答に時間がかかるという悪循環に陥っていました。そこで、正確な計画表を作成することを目的とし、生産計画の自動化を行いました。
山積み山崩しの手法を用いて、受注情報から計画表を自動作成
まずは別のシステムで管理している受注を取り込み、作業時間を計測することで実工数の取得を行いました。そこから生産計画を自動作成することで、実際の作業時間に基づいた生産計画ができるようになりました。今回用いたのは山積み・山崩しといわれる手法で、この手法は、工程ごとの仕事量と工場の生産能力をバランスよく考慮し、生産量や納期を考えながら仕事を期間ごとに適切に配分する方法です。これにより、4時間ほどかかっていた生産計画の作成が1時間程度で済むようになりました。

工場に合わせたパラメータ設定により、生産計画を自動計算
今回取り組みを行うにあたって、当社IoTツールの『 iIT 』と『 Qmm 』を導入頂きました。
上記の取り組みは『 iIT 』で生産実績の情報を取得し、受発注情報のデータをもとに生産計画を作成しています。その際に、パラメータを設定することで、工場に合わせた生産計画を立てることができます。
さまざまなパラメータを使って生産計画を自動作成、人による最終調整も可能
生産計画の作成は、基本的には「受注の納期」と「工程の作業時間」をベースに行いました。加えて、生産計画の精度を上げるオプションとして、「機械の空き情報」と「部品の在庫状況」、「部品の入荷予定」もパラメータとして使用しました。また最終手作業での日程調整も可能で、特定の生産を優先したい場合など、最終的な生産計画については人の判断を取り入れつつ調整することもできます。
材料不足の場合は、自動で生産計画に上がらない仕組みに
さらに、材料在庫・発注状況・生産実績と連動により、材料不足の場合は材料が不足しなくなるまで生産計画には上がらない仕様で作成しました。これによって、材料がないのに生産計画には表示されることを防いでいます。このように、IoT技術と山積み・山崩しの手法を融合することで、生産計画の作成時間を劇的に短縮し、生産プロセスの効率化を進められています。
お客様の声 ~鳥取工場の工場長、薮内様にお話を伺いました~

システムを導入して、楽になったことは何ですか?
薮内様「ブライトンの中が見えたところですね。今までは担当者の頭の中でしか見えていなかったものが、皆が見えるようになった、というのが一番大きいです。さらにそれが、”どこまであるの?足りるの足りんの?”というのも、ある程度数字として見えるようになってきました。それが見えるようになったことで、今まで苦戦していた進捗が、”今はここまで行っとるね”と見えるから、これは一番管理者の側からすれば大きく楽になりました。これまでは、納期回答要求がくれば、その納期回答の品番を持って全てのところを歩いて確認していたので大変でした。」
薮内様「あとはもの足りないところといえば、システムの形としてはできているけれども、本来の欲しいところがまだできていないということですね。」



欲しいところですか?
薮内様「私の製造側とすれば計画というところがまだ完璧にはできていないですね。仮に今50点だよ、とみれば、そこができれば80点90点という高い合格点が出るんじゃないかと思います。それをするのに早くなんとかやりたい。それが本当にできれば、全ての資料・出ている情報が内容の濃い信ぴょう性の高いものになると思っています。なので、まだまだ道半ばです。」



薮内様ご協力ありがとうございました。これからもサポートしていきます。
このようにステップを踏みながらシステムを導入し、現場に合わせて改善を進めてさせて頂いています。後半は、QRを用いた在庫管理に取り組んだ内容についてお話します。



