サポート材をHIPSでテストしてみた【ABS/Raise3Dプリンタ】

はじめに

3Dプリンターで部品を作成する際、「サポート材が剥がしにくい」「サポート材に接した面がきれいにならない」と悩んだことはありませんか?
ABSで造形する場合、同じABSをサポート材を使うこともできますが、取り外しが大変になったり表面が荒れたりすることがあります。

そこで今回、ABSのモデル材に対して、サポート材HIPSを使用する方法を試してみました。

そもそもサポート材とは?

そもそもサポート材とは、下の図のように作成したい『赤色の部品』があったとすると、『斜線部』のように床面に対してできる空白を埋める部分の材料のことをいいます。つまり、部品を作る際に、部品が潰れてしまわないための土台です。

サポート材を使用すると、サポートに接する面がどうしてもキレイに仕上がらないため、部品の造形の向きを変えたり、部品の形状自体を見直したり、サポート材をできるだけ使用しないよう配慮します。

しかしながら、サポート材を必要とする場面も多くあります。今回、ABSに対してHIPSをサポート材として使用すると良いのでは?という声があり、購入しテストしてみました。

サポート材をHIPSでテストしてみた

これまでABSに対して、ABSの同材料(同ヘッド)でサポートをしていました。(左)
それに対して、サポート材をHIPSに変更したものが(右)の写真です。

ABS(左) HIPS(右)

ABSがサポート材料のときは、手だけでは剥がしづらく工具を使って剥がしていましたが、HIPSのサポートに変えると、手で比較的簡単にサポートを除去することができました。
また見た目も、前者はサポート剥離による白化が見られますが、後者はあまり白化もなく見た目もキレイでした。

テスト条件

テスト条件は下記の表の通りです。

両者の違いは、上層サポートとモデルの空洞層数で、ABSでは同材料のため空洞が必要でしたが、HIPSでは空洞層数が無くても問題なく剥離することができました。
逆に、HIPSで空洞層数を1にしてしまうと、うまくモデル材料(ABS)が載らないようでした。

スライサーの条件:サポートのタブについて

サポート材ABSHIPS
サポート充填形状線状線状
充填率25%25%
水平オフセット0.8mm0.8mm
上層サポートとモデルの空洞層数10

※3Dプリンタ「NPR-3P/Raise3D」での例です。

おわりに

これまで同材料でサポートをしていましたが、サポート材を変えることで印刷品質が向上することが分かりました。

今後も、いろいろトライしてみたいと思います。

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